光ファイバーやDSL マンション導入を促進 日刊工業新聞 02.02.06(水)より「読んDEココ!]OCR読込み加工
実物記事
進まぬ末端世帯への普及
総務省、情報格差解消へ
法務省、区分所有法で見解
「賛成」住民の過半数でOK
総移省が法務省や国土交通省と共同で、都市部のマンションなどの高速ネットインフラ敷設推進に
力を入れている。光ファイバーやデジタル加入者線(DSL)などさまざまの高速ネットサービスが発展
する都市郡だが、肝心の末端世帯への普及は建物の区分所有法の誤解などがネックとなって
なかなか進展していなかった。法務省は誤解を解くために、昨年末に既存マンションのIT化工事
に関する考え方を公表。とはいえ、いぜん「住民の過半数」の壁は厚く、思うように
進まないのが実情だ。
過疎地や山間地帯と同様に、都市部にも光ファイバーが思うように敷けない地域が存在する。
それが、既存の分譲マンションやオフィスビルだ。田舎に目をとらわれがちなデジタル・デバイド(情報格差)
解消の盲点を突く形で、総務省の研究会が提言をまとめたのが昨年夏。
それから同省はデバイドの解消に向けて積極的に動いた。法務省が区分所有法の考え方をまとめ、
先週のIT戦略本部会議でも改めて内容を公表したのは、この成果に基づくものだ。
末端普及に課題
IT戦略本部は2005年までに、全国の合計3000万世帯に高速ネットインフラを敷設すると宣言している。
全国にある4800万世帯のうち、マンションやアパートなど集合住宅に住む世帯は4割弱。
東京など都心部ではこの率がさらに跳ね上がり、6割を超えていると見られる。
都内でおよそ250万世帯が対象になる計算。
過疎地などと違い都市部ではおおむねき線点までの光ファイバー敷殻は完了、
DSLや無線も含め対象世帯へ高速サービスを始められる素地は整っている。
後はいかに末端にある加入者の世帯へ、高速インフラを到達させるかだ。
「既存マンションで新たに光ファイバーを入れる場合、入居者全員や4分の3の賛成が必要なのではないか」。
区分所有法に対する漠然とした誤解が、今までマンションに敷設工事をするネックになっていた。
だが、法務省が示した見解によると、
敷設工事に必要な入居者の賛成の数は全体の100%や4分の3ではなく、過半数。
入居者の1人でも反対したら、ファイバーを敷けないとの理屈は通らない。
様々な方法で
ひと口に高速インフラを敷くといっても、内容は光ファイバーやDSL、ケーブルテレビ(CATV)ネット、
構内LAN活用、光ファイバーと無線を組み合わせる方法など多数の手段がある。
DSLや無線を使う場合、建物外観に与える影響や敷設費用などは比較的安く済む。
装置自体が50-60センチメートルと小さく、簡易な設置工事で事足りるからだ。
光ファイバーにしても配管を建物の外周に沿って敷設し、各戸への引き込みは
ダクト口を利用するやり方もある。総務省の試算データによると、50戸のマンションに
ファイバーを新たに敷く工事費用は空き管路がある場合で約550万円、
ない場合は約1000万円になり、後者では1件当たり約25万円かかることになる。
ちなみに無線の場合は約2万円だ。
インターネットサービスが普及し、マンション事業者からも入居者確保のため
高速ネット対応型をPRする例が増えていることも追い風になっている。
ただ新築マンションではなく、既存マンションの場合、実現にはやはり過半数の壁が重くのしかかる。
4分の3でないとはいえ、過半数の同意が必要になる。
外観を壊す心配も
入居者の中には建物の外観を壊す心配とともに、新しく費用負担が発生するこ
とを気にする声が多い。DSLでは加入促進のため初期の負担工事の費用を下げ
る事業者も多く出ているが、光ファイバーではまだ出ていない。結局のところ
本格普及は高速サービスの低簾化が進展し、利用者が便宜を身近に感じ取れるよ
うになる時かも知れない。
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